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吉田松陰
1830‐1859
幕末期の兵学師範、思想家、教育者。 萩藩士杉百合之助の二男。幼くして山鹿流兵学師範の叔父・吉田大助の養子となり吉田家を相続する。叔父の玉木文之進の私塾松下村塾を主宰し高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文など幕末期に多くの人材を輩出。1859年安政の大獄により処刑された。その生涯は、諸国を旅し、議論を交わし見聞を広める実践の学問で貫かれた。 |
人 賢愚(けんぐ) ありと雖(いえども)も
各々(おのおの)一二(いちに)の才能なきはなし どんな人間でも、どこかにひとつやふたつくらいは良いところがある。
至誠にして動かざる者は 未だこれあらざるなり
「至誠」を尽くせば、必ず人は動く。
心はもと活(い)きたり
活きたるものには必ず機あり 活きた心を持つ人は、それを活かせる機会に必ず出会う。
男子(だんし)事(こと)を立(た)つる
真心(まごころ)を行(おこな)ふを 貴(たっと)ぶ 男子がことを起こす時には、真心を尽くすことが大切である。
今日よりぞ幼心(おさなごころ)を打ち捨てて
人と成りにし 道を踏めかし 今日から、親に甘えていた気持ちを捨てて、友と交わり自己の道を生きていこう。
万巻(まんがん)の書を読むに
あらざるよりは いずくんぞ 千秋の人たるをえん 多くの書物を読み、勉強しなければ、名を残すような人間にはなれない。
身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも
留め置かまし大和魂 自分の身は滅んでも、この世に遺しておきたいものは私の魂である大和魂である。
志(こころざし)を立てて以(もっ)て
万事(ばんじ)の源(みなもと)と為(な)す 万事、しっかりとした志をたてることが、すべての根本である。
親思ふこころにまさる親ごころ
けふの音づれ何ときくらん 自分が親を思う心より、親はそれ以上に自分のことを思ってくれる。死罪を知ったらどれだけ嘆き悲しむことだろう。
凡(およ)そ生まれて人たらば
宜(よろ)しく人の禽獣(きんじゅう)に異なる 所以(ゆえん)を知るべし 人として生まれてきた以上、動物と異なることを知っておかなければならない。
死して不朽(ふきゅう)の見込みあらば
いつでも死ぬべし 生きて大業(たいぎょう)の見込みあらば いつでも生くべし 後世まで残るようなことを成し遂げたら、悔いを残さず死んでよい。これから大業を果たす見込みがあるなら、いつまでも生き続けなさい。
人古今に通ぜず 聖賢(せいけん)を
師とせずんば 即ち鄙夫(ひふ)のみ 人間として古今のことを理解せず、恩師の教えを無視する者は、心の賤しい者である。
朋友(ほうゆう)相交(あいまじ)わるは
善導(ぜんどう)をもって 忠告すること 固(もと)よりなり 友人と交わるときは、真心を持ちながら善に導くことが大切であることは言うまでもない。
大丈夫(だいじょうぶ)
斯(こ)の世に生まれては 志を立てつること 高大なるを貴(とうと)ぶ 男子がこの世に生まれたからには、志高くして大きなことを考えることが大切である。
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